AIに地域名と診療科で聞いて自院が出なかった院長へ
出ない理由の見分け方と直す順番

診療を終えた夜、患者さんから聞いたとおりにスマートフォンでChatGPTを開き、「○○駅 皮膚科」と打ち込んでみる。画面にはポータルサイトや大きな医療機関の名前が並ぶのに、自院の名前はどこにもない。自院はAIにどう見えているのか、何を直せば変わるのか、そもそも自院で直せるものなのか。
AI検索とは、ChatGPTやGeminiのようなAIに質問し、答えの中で候補を挙げてもらう探し方です。歯科なら「○○区 歯医者」、小児科なら「子ども 発熱 土曜 ○○駅」のように、患者は症状や都合をそのまま打ち込みます。その答えに自院が出なかった院長が、出ない理由を見分け、自院で直す先と順番を決められるよう、見分け方と直す順番をまとめたいと思います。
一度出なかっただけで「うちはAIに出ない」と決めつけるのも、広告やホームページの作り直しに飛びつくのも早すぎます。直すのはAIの答えではなく、AIが読む材料、つまりGoogleマップ・ホームページ・ポータルに載っている自院の情報です。まず患者と同じ問いで今の答えを記録し、出ない理由を見分けることから始めるのがよいでしょう。
01一度の「出ない」では何も決まらない
AIの答えは、どのAIに、どんな言葉で聞いたかで変わります。そのため、先生が試した一回で自院が出なかったことは、「自院はAIに出ない」という証拠にはなりません。
同じ画面を見ても、そこで手を止めるか、問いを変えていくつかのAIで聞き直すかで、次に打てる手が違ってきます。最初に取り組むべきことは対策ではなく、今の答えを同じ条件で比べられる形で残すことです。
AIによって読む情報が違う
なぜ一度の結果で決められないのか。理由の一つは、AIの種類によって、答えを作るときに読む情報が違うことです。本記事を書いている2026年10月21日に、当社でClaudeとGeminiへ「近所で初めて行く歯医者やクリニックを探しています。AIはどんな情報をもとに候補を挙げているのですか」という質問をして検証してみました。Claudeは、AIを3つに分けて次のように整理しました。
- 地図・検索と連携しているAI —— 例はGoogle検索のAI要約、Geminiの地図連携など。読む情報は、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)の情報、口コミ、検索結果のWebページです。
- Web検索機能つきのチャットAI —— 例は検索モードのChatGPTやCopilotなど。読む情報は、検索エンジンで上位に出るページ(公式サイト、医療ポータル、ニュース、口コミ記事)です。
- 検索なしのAI —— 学習済み知識だけで答える場合です。読めるのは学習データ内に何度も登場する院だけで、古い情報や間違いが混ざりやすいとしています。
ただし、Claudeはこの答えの冒頭で「私はここで検索していません」「各社AIの内部ロジックは非公開です」と断っています。上の3つの分け方は、AIが自分たちの仕組みを一般論として説明した言葉で、確かめられた事実ではありません。「検索なしのAIは、地域の小さな院をほとんど知らないこともあります」という一文も、Claudeの見立てとして読むのがよいでしょう。
一方で、AIを作る会社が自ら説明している部分もあります。OpenAIの英語版ヘルプ「ChatGPT search for Enterprise and Edu」は、ChatGPTが聞かれた内容によってウェブを検索するかどうかを選ぶと書いています。
ChatGPT may choose to search the web based on what you ask
OpenAIの別のヘルプ「Searching the web with ChatGPT」には、ChatGPTがウェブ検索を使うとき、位置情報を使って近くの結果を探せるとも書かれています。同じ先生が同じ言葉で聞いても、検索を使った答えと使わない答えが混ざることがあり、検索を使った答えでは近くの医療機関を探す材料が加わる、ということです。
そこで、先生が見た画面が検索を使った答えだったかを確かめてみてください。検索を使った答えには、多くの場合、文中や答えの下に参照したサイトへのリンクや出典の表示が付きます。表示が無ければ、ChatGPTの入力欄で検索の機能を選んでから、同じ問いで聞き直してみるとよいでしょう。

Claudeが一般的な仕組みとして説明した分け方を絵にしたもので、どのAIに聞いたかで答えの材料が変わりうることを示しています。
患者と同じ言葉で聞き直す
聞き直す問いは、先生の言葉ではなく、患者が受付や電話で口にする言葉で作るのがよいでしょう。先生は診療科の正式な名前で考えがちですが、AIに聞く患者は、症状や自分の都合をそのまま打ち込みます。確かめたいのは、先生から見た自院ではなく、患者の画面に映る自院の姿です。
たとえば、次の3つの型で一つずつ問いを作ってみてください。
- 地域名+診療科 —— 「○○駅 皮膚科」「○○区 歯医者」のように、いちばん素直な聞き方です。
- 症状+地域 —— 「子どもの湿疹 ○○駅」「親知らず 抜きたい ○○区」のように、診療科の名前を知らない患者の聞き方です。
- 条件+地域 —— 「○○駅 小児科 土曜」「子ども連れで行きやすい歯医者 ○○区」のように、通いやすさで探す聞き方です。
言葉に迷ったら、問診票の「どうされましたか」の欄に患者が書いた言い方を見返すと見つかります。受付のスタッフに、この1か月に電話や窓口でよく聞かれた言い方を3つ書き出してもらうのも手です。
記録表は最初から7列で作る
問いが決まったら、答えを書き残す表を用意してみましょう。スマートフォンのメモ帳でも表計算でもかまいません。あとから列を足すと前の行と比べにくくなるため、次の7列を最初から作っておくとよいでしょう。
記録表の列と記入例
| 列 | 書くこと | 記入例 |
|---|---|---|
| 日付 | 聞いた日 | 10月○日 |
| AI | AIの名前と参照元の表示の有無 | ChatGPT(参照元あり) |
| 問い | 打ち込んだ文面そのまま | ○○駅 皮膚科 |
| 挙がった名前 | 答えに出た医療機関・サイトの名前 | ポータル2つ、近くのクリニック1つ |
| 自院の扱い | 名前あり/説明が違う/出ない | 出ない |
| 理由 | 出ない理由のどれに当たるか | 問いの範囲(皮ふ科なら出た) |
| 直したこと | その月に直した場所と中身 | アクセスのページに区名を追記 |
※「理由」と「直したこと」の列は、出ない理由を見分けたあとに書き込みます。
最初は3つの問いを2つのAIで聞き、6行を埋めてみてください。答えの全文はスクリーンショットに撮り、表と同じフォルダに日付を付けて保存しておくと、あとで答えの言葉を見返せます。
「AIの答えは毎回変わるのだから、記録しても意味がないのでは」と思われるかもしれません。答えが変わるからこそ、同じ問い・同じAIで比べないと、直したあとに答えが変わったのか、ただ揺れただけなのかを見分けられません。そのため、聞き直すのは月1回、記録したときと同じ問いと同じAIにそろえるのがよいでしょう。
6行を並べてみると、自院の代わりにポータルサイトや大きな医療機関の名前が並ぶ行が目に付くかもしれません。そうすると、次に気になるのは「なぜポータルばかりなのか」でしょう。
02ポータルは自院を照らす見本
ポータルサイトの名前ばかりが並ぶと、評判で負けていると感じるかもしれません。ただ、AI自身の説明を見るかぎり、選ばれ方は評判の良し悪しだけでは決まらないようです。
ポータルと競うより、ポータルの掲載ページを見本にして、自院の情報を照らし合わせるほうが、自院で手を付けやすいでしょう。
Geminiが答えた候補の選び方
同じ日に同じ質問をGeminiにも聞くと、Geminiは候補を「インターネット上にどれだけ正確かつ豊富な情報が存在し、ユーザーの検索条件と合致しているか」で選ぶと答えました。見ている情報源には、地図情報・ローカル情報(Googleマップなど)、口コミ・レビュー情報、医院の公式ホームページを挙げています。Claudeも、材料になりやすい情報の一つに医療ポータル・予約サイトを挙げました。
これもAIが自分の仕組みを説明した言葉で、各社が公表した選び方ではありません。それでも、2つのAIが挙げた地図・口コミ・ホームページ・ポータルは、どれも医療機関の情報が載る場所で、自院で確かめたり直したりできます。AIが見ているのは、ホームページがあるかどうかより、そこに何が書かれているかだと考えています。
ただし、Googleのヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」は、地図の検索結果を決める要素の一つに知名度を挙げています。
知名度の高い場所ほど、検索結果に表示される可能性が高くなります。
開業して数年のクリニックや歯科医院が、知名度でポータルや大きな医療機関に追いつくのは簡単ではありません。一方で、知名度は要素の一つであって、情報が正確かどうか、問いの条件に合うかどうかは、自院で今日から整えられます。整えるときは、地図・ホームページ・口コミが新患を迎える入口としてそれぞれ担う役割も合わせて見ておくと、AIのためだけでなく患者のためにどこを直すかを決めやすくなります。
ポータルを見本に3つの画面を照らす
ポータルの掲載ページは、診療科・診療時間・休診日・住所が決まった欄に並んでいるため、見比べるときの物差しとして使えます。手元で次の3つの画面を開いてみてください。ポータルに載っている自院のページ、Googleビジネスプロフィールの管理画面、自院のホームページの診療案内のページです。

ポータルの掲載ページを物差しにして、地図とホームページの同じ欄を見比べると、食い違いの場所が見つかります。
見るのは、診療科の名前、診療時間、休診日、住所の4つです。たとえば内科・小児科のクリニックなら「小児科」の表記と土曜の受付時間、歯科医院なら「小児歯科」「矯正歯科」の載り方と昼休みの時間が、3か所で一字一句同じかを確かめるとよいでしょう。ずれていた欄は、記録表の「理由」の列に書き留めておきます。
3つの画面がそろっていても、自院の名前が出ないことはあります。そのときは、聞き方を変えてAIに追加で聞くと、自院がどこで候補から外れているかが見えてきます。
03出ない理由は聞き方を変えて見分ける
自院の名前が出ない理由は、「AIが自院の情報を持っていない」「基本情報の食い違い」「診療内容がネットに書かれていない」「問いの範囲に入っていない」の4つに分けると、直す先が決まります。理由ごとに直す場所が違い、取り違えると限られた時間を使っても答えは変わりません。たとえば範囲がずれているだけなのに診療内容のページを書き足しても、その問いには結び付きにくいままです。
では、自院はどれに当たるのか。
見分けるには、院名で聞く、診療内容で聞く、地域や言葉を変えて聞く、の3通りの追加の問いが役に立ちます。下の表で、自院の結果がどの行に近いかを見てみてください。
出ない理由の見分け方と直す先
| 理由 | AIに追加で聞いたときの様子 | 直す先 |
|---|---|---|
| AIが情報を持っていない | 院名で聞くと「知らない」「該当なし」 | Googleビジネスプロフィールの登録 |
| 基本情報の食い違い | 院名で聞くと時間や住所が違う | 地図・ホームページ・ポータル |
| 診療内容が書かれていない | 院名では正しいが診療内容で聞くと出ない | ホームページの診療のページ |
| 問いの範囲に入っていない | 駅を区に広げる・表記を変えると出る | 地域名・診療科の表記・地図のカテゴリ |
※見分け方は傾向をつかむためのもので、理由を確定するものではありません。
院名で聞いて、知らないか違うかを見る
最初に試したいのは、院名を出した問いです。「○○皮膚科クリニックについて教えて」「○○歯科医院の診療時間は」とAIに聞いてみてください。答えは、正しく説明される、説明が実際と違う、「知らない」「該当する医療機関が見つからない」と返される、の3つに分かれます。
「知らない」と返されたら、まず検索を使って聞き直してみるとよいでしょう。ChatGPTなら入力欄で検索の機能を選び、答えに参照元の表示が付くかを見ます。検索を使っても見つからないなら、AIが読める場所に自院の情報がまだ足りない状態と考えられます。Googleビジネスプロフィールの管理画面を開いて自院が登録され、オーナー確認が済んでいるかを確かめ、ホームページの一番下(フッター)に院名・住所・電話番号が文字で書かれているかも見てみてください。
説明が違う場合は「基本情報の食い違い」です。答えに出た診療時間・住所・診療科を、Googleビジネスプロフィールの管理画面とホームページのフッターに一行ずつ照らし合わせてみてください。食い違いが起きやすいのは、休診日や診療時間を変えたとき、移転したとき、診療科を増やしたときに、一部の場所だけ直し忘れたところです。名前で聞いて情報を確かめるのは、ChatGPTに名前が出てこない原因を切り分けるときの最初の一歩でもあります。
診療内容と問いの範囲を見分ける
院名では正しく説明されるのに、「○○駅 小児皮膚科」「○○区 小児歯科」のように診療内容で聞くと出ない場合は、「診療内容が書かれていない」に当たる可能性があります。AIが自院の存在を知っていても、その診療をしている医療機関だと読み取れる文がネット上に無ければ、候補に入れようがありません。たとえば子どもの湿疹を多く診ている皮膚科でも、ホームページに「子どもの湿疹」という言葉が一度も出てこなければ、その問いとは結び付きにくいでしょう。
一方で、地域を駅名から区名に広げたり、言葉を言い換えたりすると出る場合は、「問いの範囲に入っていない」に当たります。診療内容は伝わっていても、自院の情報に書かれた地域や言葉と、患者の問いがずれている状態です。たとえば皮膚科なら「皮膚科」と「皮ふ科」、歯科なら「歯科」と「歯医者」のような表記の違いが、ずれの元になりえます。
範囲がずれていたときの直し方
範囲のずれは、新しいページを増やすより、今あるページに地域と言葉を足すほうが近道です。直す場所は次の3つです。
- ホームページのアクセス・診療案内のページ —— 最寄り駅の名前と、区や市の名前を文で書いておきます。「○○駅東口から徒歩」「○○区○○町」のように、患者が問いに入れそうな地名を、地図の画像だけでなく文字で載せておくとよいでしょう。
- 診療科の書き方 —— 自院の表記が「皮ふ科」なら、本文のどこかに「皮膚科」も入れます。歯科医院なら「歯科」に加えて、患者が使う「歯医者」という言葉を診療案内の文に含めておくとよいでしょう。
- Googleビジネスプロフィールのカテゴリ —— 管理画面でメインのカテゴリと追加のカテゴリを開き、実際の診療科と合っているかを見直してみてください。小児科も診ている内科、小児歯科に力を入れている歯科医院は、追加のカテゴリが漏れていないかも見ておきましょう。
書き足すのは、駅名・地名・診療科の名前といった事実にとどめるのが安全です。
直す順番は1つのルールで決める
理由が混ざっていても、直す順番は1つのルールで決められます。院名で聞いて分かる問題(情報を持っていない・説明が違う)があれば先に直し、残りは記録表でいちばん多かった理由から手を付ける、という順番です。院名で聞いて間違っている情報は、AIだけでなく来院しようとする患者も迷わせるうえ、管理画面とホームページの数行を直せば済むことが多いためです。
たとえば基本情報をそろえた次の週から、6行のうち範囲のずれが多ければ駅名と表記の書き足しを、診療内容の書き漏れが多ければその診療を説明する文の書き足しを、1週に1つずつ進めるとよいでしょう。見分けた理由を「理由」の列に、直したことを「直したこと」の列に書いておけば、翌月に同じ問いで聞き直したとき、どの直しのあとに答えが動いたかを追えます。
ここまでで直す先は見えてきました。残る疑問は、そもそもAIの答えを自院でどこまで変えられるのか、という点でしょう。
04直すのはAIの答えではなく、AIが読む材料
AIの答えを、自院で直接書き換えることはできません。一方で、AIが答えを作るときに読む自院の情報は、自分たちで確かめて直せます。Googleマップ、ホームページ、ポータルに載っている自院の情報です。出ない理由を見分けて直す先を決めてきたのは、そのためです。
ただし、材料を直しても、次に聞いたときにすぐ名前が挙がるわけではありません。自院でできるのは、材料を正しくそろえることまでです。答えが変わったかどうかは、月ごとの記録で確かめていくことになります。
自院で直せる場所と直せない場所
AIが材料に挙げた場所のうち、自院で手を入れられるのは2つです。Googleマップの自院の情報はGoogleビジネスプロフィールの管理画面から直せます。ホームページは自院の判断で直せます。ポータルの掲載ページは掲載先によって直し方が違うため、掲載先の案内で修正の方法を確かめるとよいでしょう。
「それなら広告を出したほうが早いのでは」と思われるかもしれません。ただ、広告がAIの答えにどう表れるかは、2つのAIの答えからは分かりません。一方で、管理画面とホームページの直しは費用がかからず、診療の合間でも少しずつ手を付けられます。限られた時間と費用で始めるなら、まず無料で直せる場所から手を付けるのが無理のない順番でしょう。
反対に、AIの答えそのものを約束できる人はいません。AIで上位に出ることを約束する話を聞いたときは、契約の前にその保証が本当に成り立つのかを確かめておくと安心です。
口コミは返信で応え、転載しない
2つのAIは、地図や公式ホームページと並べて口コミも材料に挙げました。Geminiは、星の数や件数に加えて、「説明が丁寧」「待ち時間が短い」のようなレビュー本文の言葉まで見ていると答えています。
ただし、口コミは患者が書くもので、自院で書き換えられる材料ではありません。自院で手を入れられるのは、Googleマップの口コミへの返信です。返信は、投稿した患者だけでなく、これから医療機関を探す患者も読みます。お礼や改善したことを短く書き、投稿にある症状や治療の中身には触れないのが安全です。内科・小児科なら子どもの病名、歯科医院なら抜歯や矯正といった治療の内容に返信で触れると、投稿した人が分かってしまうおそれがあります。
一方で、よい口コミを選んでホームページに載せるのは避けたほうがよいでしょう。厚生労働省の医療広告等ガイドライン(令和8年3月30日最終改正)は、患者の体験談を次のように扱っています。
医療機関が、治療等の内容又は効果に関して、患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談を、当該医療機関への誘引を目的として紹介することを意味するが、(中略)医療広告としては認められない。
自院のホームページに載せれば、自院が紹介する体験談になります。そのため、口コミにはGoogleマップの上で返信して応え、ホームページには持ち込まないと分けておくと迷わずに済みます。
書き足すのは行っている診療の事実
診療内容の書き漏れを直すときも、同じ医療広告のルールの範囲で書くことになります。厚生労働省の医療広告等ガイドライン(令和8年3月30日最終改正)は、「日本一」「No.1」「最高」のような最上級の表現など、優秀性について著しく誤認を与える表現は、客観的な事実であっても禁止されるとしています。「地域一番」のような言い方は避けるとよいでしょう。書くのは、行っている診療の名前、対象となる症状や年齢、診療の曜日と時間のような事実です。
たとえば皮膚科なら「子どもの湿疹やあせもも診ています。対象は○歳からです」と書けます。歯科医院なら「小児歯科では、乳歯のむし歯の治療と歯みがきの練習をしています」のように書けます。どちらも、患者が問いに入れた言葉をそのまま含む一文があれば足ります。
一般論の解説を何本も増やすより、自院で実際に行っている診療を先生の言葉で書いた短い文のほうがよいでしょう。一般論はどのクリニックのホームページにも書けるため、AIが自院を選ぶ理由にはなりにくいからです。書き足したら、記録表の「直したこと」の列に、どのページに何を書いたかを一行で残しておきます。
材料を直したあとに残るのは、その直しが答えに表れたかを、いつ、どう確かめるかです。
05変化は同じ問いで月1回比べる
直したあとの確かめ方は一つです。月1回、記録したときと同じ問いを同じAIで聞き直し、記録表に新しい行を足します。条件をそろえるのは、答えの揺れと、直したことの効果を分けるためです。
比べるときに新しい列は要りません。最初に作った7列のうち、どの列を前の月と並べるかを決めておけば、診療の合間でも見比べられます。
前の月の行と並べて見る
聞き直す日は、毎月同じころに決めておくとよいでしょう。たとえば月初めの最初の診療日の夜に、先生がスマートフォンで6つの問いを聞き直します。スクリーンショットは日付を名前に付けて、同じフォルダに保存します。記録表では、前の月の同じ問い・同じAIの行のすぐ下に新しい行を足すと、上下で見比べられます。
見るのは、記録表にすでにある列のうち次の3つです。
- 自院の扱い —— 「出ない」が「説明が違う」や「名前あり」に変わったかを見ます。
- 挙がった名前 —— 自院の代わりに出ていたポータルや医療機関の顔ぶれが変わったかを見ます。
- 直したこと —— 前の月の行に書いた直しのあとに、上の2つが動いたかを並べて見ます。
答えが動くまでの期間に、確かな目安はありません。期間を決め打ちして待つより、前の月と比べてどの列が動いたかで判断するのがよいでしょう。ある問いだけが動いたときは、「直したこと」の列をたどれば、その前にどこを直したかが分かります。
見分けきれないときは記録表を見せる
4つの理由のどれにも当てはまらないときもあります。何か月か同じ条件で比べても答えが動かないときもあるでしょう。そうしたときは、外部に相談することも考えてよいでしょう。相談するときに記録表とスクリーンショットのフォルダを見せれば、どの問いで何が起きているかを一から説明せずに済みます。
記録表がそろっていれば、業者を探す前にやっておきたい自己診断の多くはすでに済んでいます。相談先には、自院の記録表と同じように、決めた問いを毎月同じ条件で測ってそのまま見せてもらえるかを聞いてみるとよいでしょう。
06まとめ
AIに自院の名前が出なかった画面は、そこで終わりではなく、どこを直すかを知る手がかりになります。患者と同じ問いで今の答えを記録し、院名・診療内容・地域や言葉を変えて聞き直せば、出ない理由が見えてきます。理由が分かれば、Googleマップ・ホームページ・ポータルのどこから直すかも決まります。AIの答えを直接動かすことはできません。それでも、AIが読む材料は自院で一つずつそろえられ、その結果は月ごとの記録で確かめられます。
次の一歩として、今夜、3つの問いを2つのAIで聞き、記録表の最初の6行を埋めることから始めてみるとよいでしょう。


